続おもいでの夏

じじいの日記みたいなもんです

おじさんと犬

ずいぶん前のことですが 早朝に出会ったお遍路さんらしきご老人は 荷台に犬を乗せた自転車を押して しまなみ海道へと続く坂道をゆっくりと上っていたのでした。

「犬はどうしたんです」「四十日もアスファルトの上を歩き続けて とうとう足の裏が破れてしまい 歩けなくなりまして」

f:id:hoshikubi:20191218044823j:plain

「で どちらまで?」「尾道へ帰ります」

本来は荷台に載せていた荷物をそこかしこにぶら下げているから自転車には乗れず 押すよりほかなさそう。ここから尾道まで60キロ余り せいぜい時速2キロくらいだろうから休みなしでも一日では無理だろう。

f:id:hoshikubi:20191218044846j:plain

来島大橋の中ほどでお別れしました。

「私はこのあたりで失礼しますがお気をつけて」「これはどうも またいつかどこかでお会いしませう」 朝日のなかへゆっくりと消えて行ったご老人と柴犬は いまも元気なのかなあ。

f:id:hoshikubi:20191218044910j:plain

 

f:id:hoshikubi:20191218050021j:plain

 

f:id:hoshikubi:20191218050040j:plain